ポイント制を使用している表彰制度の表彰金は???

福利厚生制度に、いわゆる「カフェテリア・プラン」が導入されて久しい。

上限ポイントで好きなメニューを利用するというもので、導入後10年以上経つだろうか。

さて今回のご質問は、表彰制度も、基本的にはポイントで付して、ポイントを最後は金券などに交換できるというもの。

表彰制度による表彰金の税務取扱いは、以前にも書いたがかなり難しい。

簡単に解説してみると、

通常の職務の範囲内として行われたことに対するものは「給与所得」

そうでないものは、一時に支払われるものは「一時所得」、それ以外は「雑所得」になる。

したがって、通常の職務の範囲は、その人の所属部署によって異なるので、その人の通常の職務に照らして判断する必要があるわけです。

たとえば、研究開発部の開発技術者が、いい技術を開発したね、と表彰された場合には、これは通常の職務の範囲内なので、給与所得でよいと思います。

その場合に、特許権などの承継や利用に伴う部分については譲渡所得、雑所得になる場合がありますので注意が必要です。(現実にはきわめて少ないでしょうが・・・)

戻りますと、そういったさまざまな表彰についてポイントで付された場合の注意点としては、そのポイントが、給与所得ポイントなのか、一時所得ポイントなのか、雑所得ポイントなのか、の分別集計をしておく必要があるということです。

給与所得になるポイントを金券に交換した場合には、所得税を源泉徴収しなければなりませんし、他の所得のポイントによる金券への交換は、そもそも源泉徴収は要さず、年間20万以下ならば、確定申告も要らない、という取扱いになりますので、むやみに全部給与として源泉徴収の対象にしてはいけないわけです。

よく、何でもかんでも所得税の課税対象にしちゃっている場合もありますが、やはり従業員のことを考えれば、正しい取り扱いをしてあげる必要がありますよね。

このあたりのご相談は、源泉所得税に精通している当事務所を活用してください!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

外国法人から購入するマーケット情報の対価の源泉国際課税は???

最近は源泉所得税に関する税務調査も非常に細かい点が指摘される。

源泉所得税は、源泉徴収義務を支払者が「納税義務者」として負っている非常に厳しい制度であり、執行を厳しくされることは企業としてなかなか大変であり、適切な税務リスクのマネージメントが必要だと思っている。

複数の税理士さんがおられる企業も決して少なくないが、上場企業では、2から3年ごとに税務署の国際税務専門官などから行われる源泉所得税の税務調査対策のために、ぜひ、当職のような源泉所得税や国際課税実務に精通した税理士を味方にしてもらいたい。

さて、源泉所得税で問題なのは、判断が難しく、判断に関する情報もかなり錯綜しているので、企業や専門でない税理士さんでは結論が出せず、税務調査官とちゃんとした議論ができないこと、も挙げられる。

さて、本日質問があった県であります。

外国法人からマーケット情報などを買った対価は源泉徴収の対象なのでしょうか?

ポイントはいくつかあります。

1.そもそも、オーダーメード的に調べてもらった場合には、役務の対価に該当するでしょう。外国での調査実施の対価は、原則国内源泉所得にはなりません。

2.調査会社がもともと自主的に調べて保有していた情報を買った場合には、たとえば調査レポートのような形のもので提供され、それを読んで社内の意思決定などに使用するだけであれば、単なる情報の対価であり、これも国内源泉所得には該当しません。

3.調査会社が自主的に調べて保有していた情報を、冊子にまとめてある本の形で購入した場合には、書籍の購入対価であり、国内源泉所得ではありません。

以上、基本的には外国法人の国内源泉所得にならない場合が多いのですが、

たとえば、

その情報を複製して他社に販売するライセンスを支払った場合、

その情報をインターネットや放送で放送、送信する利用方法の場合、

などの場合には、国内源泉所得に該当すると判断される場合がありますので、事実関係、契約関係、提供された青果物などをよく吟味する必要があります。

わかったふりをして素人判断すると大けがをする場合があります。

千代田区、港区あたりの国際税務専門官は相当な切れ者揃いですので、決して丸腰ではいけないと思いますよ!

ぜひとも当事務所をお役立てください!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アマゾンの追徴課税報道について

アマゾンは、私も大変よく利用している。

めちゃめちゃ買っているし、本以外も買うかな、アフィリエイトアカウントも結果、2つもあるし、本を買うのは本当に便利で、自分で本屋に行って重い本を持ち帰る手間と時間を考えると、アマゾンが圧倒的に便利である。

さて、昨日?アマゾンに東京国税局が課税処分をしたとの報道があった。

内容はともかく、1ユーザとしては、アマゾンで本を買うと、(ネット取引の基本として当然カード決済になるのだが)海外売り上げになっていることに気づく。これは私が元税務職員だからかもしれないが。

あと、アマゾン???という外国の会社から購入したことになっている。

日本では、大部分が和書、日本国内で出版された書籍を、日本国内で仕入れ、(ているはず)、日本国内の消費者に販売していて、それが海外売上であることは、専門家でなくても少しの違和感がある。

基本は移転価格税制と同じような問題だと想像する。

在日拠点があるのかないのかわからないが、日本で計上してきた売上はどのようにとらえられ、必要経費はどのようにとらえられ、原価はどのようにとらえられ、それが徴税の目から見て、妥当な水準なのか、そうでないのか、ということだろう。

シンプルにいえば、日本の消費者への売り上げが立ち、出版社・取次店からの仕入れ原価が立ち、人件費や物流費などの経費が立ち、営業利益が計上される、という姿なら、基本は問題ないはずなのだが、

事業ストラクチャーの作り方、関係会社間契約の整え方によって、それらの結果行われる経理処理は大きく変わる。

私が承知している事業ストラクチャーでメジャーなものに「問屋」というものがある。

問屋スキームを利用すると、在日拠点は第三者売上は直接計上せず、海外の関係会社からの「役務提供対価」、平たく言うとコミッション収入だけが計上される形となり、非常にコントロールされた財務数値になると考えられる。

問屋スキームそのものは、違法でもないし、税法に違反するわけでもないことはもちろんだ。

今後とも同様の観点で外国企業、外資系企業については検討されると想定される。

そのあたりの税務相談、税務調査でお困りの際は当事務所をご活用ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

意外と難しい減価償却~いつから償却を始めていいのか???

減価償却が税務で問題になることなんて、

これが、あるのだ。

たとえば、経済情勢下ではあまりないかもしれないが、第3四半期あたりまで好業績であったとします。

キャッシュが潤沢なので、税金対策、設備投資したい、と期末までに機械設備を新調する、ということがあるでしょう。

機械設備は発注しても納期がかなりかかるので、うまくいって期末ぎりぎり。

期末までの検収納品が終えられなければ、基本は当期の償却費計上は無理なわけですが、なんとか期末ぎりぎりで、検収納品が終わったとします。

「よかった、間に合った!」と、「中小企業の機械等の特別償却」を適用し、基準取得価額の30%を特別償却限度額に計上、税務効果が出た、ということになりますが、

ぎりぎり考えますと、この特例を適用するためには、期末までに「事業の用に供する」ことが必要です。

「そんなことあったり前でしょう?」とお考えでしょうが、たとえば製品を製造する機械設備であれば、その機械としての本来の用途として「事業の用に供する」ことが必要だと考えられます。

したがって、開梱していなくて倉庫に置いている状態ではまだ事業の用に供したとは言えないわけです。

もちろん、納品に当たり、正常に動作するかをメーカー側で試運転している最中、で、最終的な検収納品に押印する前、の状態も、まだ「事業の用に供されている」とは言えません。

さらに、検収納品した後においても、機械設備によってはまだ試運転期間がしばらくかかるものもあるでしょう。このあたりもとても微妙です。税務署側から仔細に検討される可能性があります。

たとえば、コンピューターのサーバーなどであれば、納品と同時にセットアップしてインターネットとの接続などがなされてしまえば、当然事業の用に供されたことになるので、ほとんど問題は起こらないのですが。

本格的な機械設備の場合には、意外とそのあたりにデリケートな面が伴いますので、十分にスケジュール管理を行って実行しましょう。

税務調査の対応でお困りの場合には当事務所へご相談ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

租税回避地との情報交換はどうなるか

租税回避地と情報交換協定や租税条約などを締結、銀行口座情報などを交換するための交渉が、各国とも進捗しつつある。

実際に情報交換を行うとしたならば、日本側の対応部局としては国税庁の国際業務課が窓口となると考えられる。

基本は、個別の案件から必要性が出てきた納税者、つまり税務調査に伴い、銀行を調査した際にスイスへの資金プールなどが想定された場合、ということが考えられる。

あと、国税局の査察部(いわゆる「マルサ」)が取扱う査察事件関連。

一般論だが、一般的な税務調査に関連して、スイスに銀行口座照会をするような案件は、それほど多くないだろう。

マルサレベルの案件でようやくでてくるかな、というところか。

基本的には、内偵中は情報が漏れるので行わないだろう。

令状を取り、がさ入れした後に、溜まり資金の解明のひとつとして照会することが考えられる。

ところで、これらは実はあまり怖くないと思う。

実際に、売上除外を行っており、直接スイスに資金を隠している、ケースはきわめて例外的だ。

スイスを活用するケースとしては、どちらかというと資産保全目的、もあると思う。(もちろん五稜会事件のようなケースも中にはあるだろうが、多くはないだろう)

要は、スイス側が、スイス口座を自主調査して、日本人、日本企業が関係していると認められる口座の情報を、自主的に提供するかどうか、するとしたらどのような手順、対象作業なのか、が注目される。

口座の資金、実質オーナーを洗い出して、お役所で一定の検討をして、自発的に相手先国に提供する、ということは、なかなか簡単ではない。極端なことを言えば、1件1件に対して税務調査官による税務調査に近い作業が必要だ。

手数の面でも、判断の面でも実際ものすごく難しい。

そのあたりがどのように決着するのか、実際年間どの程度の網の掛け方、提供するのか、開設されて数十年経っている口座などについても提供するのか、新規案件だけを対象とするのか、このあたりがせめぎ合いである。

税務調査を行う観点からは、やはり情報は5年以下の期間の入出金情報が一番いい。

しかし、税務職員が銀行に出向いても、口座の動きを完全に復元するのはかなりの手数を必要としており、スイス側もそうそう丸裸になりたいわけでもないだろうから、きわめて抑制的な部分から始まることが想定される。

あと、たとえば日本人や内国法人が直接的な口座名義人となっていない場合も多く、たとえばオランダ法人を設立して、スイスの銀行に口座を設けているような場合には、実質的なオーナーが日本人であるということに行き着くためには、新たに国境をいくつもまたぐ必要があり、大変な労力が必要とされる場合がある。

いろいろと、実施に関しては難しい部分が多く、今後のプレスリリースを見守っていく必要がある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「会社法務と税務」(全訂三版)(中野百々造著:税務研究会出版局)~純資産取引の法務・会計・税務の決定版!!!

この本ははや25年間、改訂を続けています。

私も在職中でさえ、何度も何度も自腹購入し、勉強しました。

税務からみれば、商事法務との関係は非常にわかりにくく、そのあたりを解説している文献がほとんど見当たらない中、唯一の解説書だったと思います。

もちろん、税理士となった今も、常に最新版を入手して座右の基本書としております。

組織再編に関連する本は、巷では数多でておりますが、たくさんの本を買い集める前に、この本を購入され、精読されることが実務に必要な理解を得る最短の道だと思います。

最初はそれほど分厚い本でもなかったと思うのですが、純資産の部の取引が、組織再編法制、税制の関係でかなり分量が増えた結果でしょうか、最新版は1500ページを超える大作となっております。

25年間改訂され続けていることのよさ、は、以前の取扱いについて言及してあること、であります。

最近多数出版された組織再編税制の文献は、現行の取り扱いしか書いておらず、税理士として、説明可能な理解をするにはやや不十分な本が多いと思います。

著者の中野先生には、中野先生が大和税務署長だった際に、私が東京国税局職員として大和税務署を職務上訪問した際にお目にかかったことがあります。

このような大著を25年間にわたり研究、執筆されておられることは、まさに驚嘆に値するのですが、お人柄はきわめて温厚で、すばらしいお人柄でした。

ぜひとも、この本は、頻繁に改訂、版を重ねて欲しいと願っております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

相続に際しての「限定承認」はどんなことになるのか???

われわれ税理士は職業上、関与先の社長の逝去など、死にまつわり、相続税の申告など、仕事をすることが多い。

相続の本などを見ると「限定承認」という言葉が出てくるのだが、ほとんどの場合が、

「積極財産の範囲内で消極財産を相続すること・手続き」という程度の解説で、法律的な知識のない人は、債務のほうが多い場合には「限定承認」を行うことが有利だ、と誤解してしまう場合も多い。

限定承認は、相続開始(被相続人の死亡)から3カ月以内に行う必要がある。

これはかなり早い。

「限定承認」をすべきであった、と相続人が税理士に言うケースもあるが、そのほとんどは「限定承認」すべきでない場合だと思われる。(あくまで一般論、相続財産などの状況によっては限定承認すべき場合もあるが)

以下にその理由など論点を解説したい。

(1)限定承認は、相続人全員で行わなければならない。したがって、被相続人の所有していた不動産に居住している相続人、も、嫁いで別に生活しているお子さんの相続人も全員が合意したうえで行わなければならない。

これはどういうことかというと、限定承認を行うと、債権者へ弁済しなければならない。そのためには、財産の換価処分などが必要で、不動産の鑑定をして任意で売却処分するか、競売を行うことになる。

被相続人の所有していた不動産に奥さまやお子さんが現に同居居住している場合には、その物件を競売すると、住むところがなくなる、ということになる。

債務の弁済をするためには仕方ない、場合もあるだろうが、そう簡単に受け入れられることではない。3か月で判断できる場合は少ないであろう。

(2)限定承認を行うということは、消極財産が多い状態、つまり、相続財産よりも相続債務のほうが多い場合であろう。

その場合には、仮に単純相続した場合でも相続税は通常「ゼロ」となる。

しかし、限定承認をしてしまうと、譲渡所得が発生し、所得税が課されてしまう。

相続財産のうち、土地がある場合には取得価額よりも時価が大きい場合には、時価で売却されたこととして譲渡所得、所得税が課される。

限定承認したほうが、税金は増えるのである。

不動産の取得価額がたとえばバブル以前の高くない時期の購入であったtなど少額の場合には、譲渡所得は相当な金額となる場合がある。

これも非常に注意が必要な点だ。

(3)相続財産がたとえば賃貸不動産である場合で考えてみる。

23区内で多少広めの土地を有する人は、ほとんどが賃貸住宅兼自宅、としている。

賃貸不動産を相続する人は多いのだ。

たとえ借金が相続開始の時点では多い場合、であっても、一定の賃料収入があり、10年20年かければ返済し終わることも十分ありうる。

以上、

借金が超過していることだけを持って、「限定承認」を考えることは、いろんな意味で早計であり、むしろ誤りである。

私も相続問題に関しては、税理士として当然税金のことは考えるし、民法の親族法などについても考慮するが、司法書士、行政書士など、税法以前の私法の専門家とアライアンスを組み、法律の知識のない相続人の場合には、丁寧に検討、アドバイスをし、提案することとしている。

相続人間で意見が食い違い、紛争になる場合が多い。

たとえば、相続人と同居している場合と、嫁いで別になっている場合では、相続財産に対する依存度が異なるので、同居している相続人にとっては居住している不動産が重要であるのに対し、嫁いで別になっている相続人にとってはお金に換えてもらいたい、と希望する場合もある。

相続人が、相続開始前に、法律、税務の専門家を交え、一定の相談・合意をしておくことは、相続のトラブルを防止するために必要なことだと考えられる。

法律の誤解、も、トラブルの元なのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

減資による資本の払い戻しの税務は???

企業は必要に応じていろいろなことをします。

親会社が、子会社の資本金を減資して、キャッシュを払い戻させる、なんてことも、行う場合があります。

平たく考えると、資本金は元手金なので、当初出資した元本が、株主へ戻るだけなので、株主側にとっては特段の所得は発生しないのではないか、と感じると思います。

しかし、税務というものは実に難しい。

商事法務手続きを省略して、会計と税務を解説していきますと、

まず、資本金を減資した場合には、原則、その他資本剰余金に振り替える処理が必要。

株主に金銭を払い戻すことについては、すべて「剰余金の分配」と整理されております。

会計上は、その他資本剰余金を減額して、現金を株主に交付するだけなのですが、

税務上はそれと異なる取り扱いを行う必要があるのです。

税務上は、払い戻した金銭の内容が、資本なのか利益積立金なのか、ということを別途分別します。

具体的には、払戻金額に、前期末の資本の金額を、純資産額で除した割合を乗じた金額が、税務上資本積立金を減額する金額になり、

その金額を超える部分については、利益積立金から払い戻されたものとして取り扱われます。

つまり、「みなし配当」が発生するわけです。

驚きでしょう?

匿名組合契約などでは、投資元本の返還だけでは、なんらの所得も発生しないところですが、会社法、企業会計、法人税、の取り扱いでは上記の取り扱いとなるわけです。

それに伴い、別表4で配当として記載し、別表5の1において、利益積立金と資本積立金の間で貸借関係を別表処理する必要が生じます。

別表調理をご存じない方にとっては、わかりにくいお話になり、すみません。

この配当として取り扱われる金額は、当然、非居住者等に支払われる場合には、租税条約上も「配当」とされ、所得税源泉徴収課税が発生します。

企業経営においても、このような複雑な税務取り扱いを伴う、組織再編や純資産の部に異動を生じるトランザクションが増えております。

当事務所では、司法書士、行政書士、場合によっては弁理士、経営コンサルタントなど、多くの専門家とのアライアンスで、ワンストップ的にさまざまなご相談に対応しております。

ご相談は遠慮なく当事務所まで!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

試験研究費は繰延資産???

旧商法の時代には、繰延資産の中に「試験研究費」というものが定められており、法人税においては、商法上の繰延資産については随時償却としてきました。

旧商法時代には繰延資産は施行規則において、試験研究費を含む8種類が定められており、それを受けての法人税法の取り扱いだったわけです。

ところが、会社法の施行に伴い、旧商法施行規則での8種類の限定列挙がなくなり、その代わりに「繰延資産として計上することが適当であると認められるもの」(会社計算規則106③五)と定めるだけで、その結果、繰延資産の定義、については、全面的に企業会計(原則)に依拠することとなってしまいました。

企業会計では、この会社法施行に伴う変更を受けて、平成18年8月11日に「繰延資産の家計処理に関する当面の取扱」を公表、その結果、試験研究費は、社債発行差金とともに繰延資産の範囲から文字通り、消去されてしまったわけです。

これを受けて、平成19年の税制改正により、会社法上、企業会計上のの繰延資産に税法が合わせる形で、試験研究費は繰延資産の範囲から除かれました。

したがって、試験研究費は、発生した事業年度の費用として処理される、ことになり、繰延資産として資産計上し、その後の事業年度で償却していく処理が認められなくなりました。

本来、企業会計は、研究開発費は発生した事業年度の費用とすることを基本としていましたので、原則の取り扱いで統一された、ということになります。

しかし、試験研究費は、一般に多額な費用である場合が多く、単年度の費用で計上することは、期間利益計算に対するインパクトが甚大であり、なんとか、繰延資産で計上したい、という事情があります。

試験研究費の定義は「新たな製品の製造または新たな技術の発明にかかる試験研究のために特別に支出する費用」をいうこととされています。

繰延資産として引き続き存置されている「開発費」でなんとか処理できないだろうか、という意見がありますね。

開発費、の定義は「新たな技術もしくは新たな経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓または新たな事業の開始のために特別に支出する費用」を言うこととされています。

製品や技術の開発や研究を「開発費」の解釈上含むことについては、残念ながら定義上は困難でありますね。

ただ、何らかの名目で繰延資産として計上して、支出した事業年度で一部しか費用として計上しなかった場合に、全額を計上すべき、という減額更正を、税務署のほうで行うかと言うと、おそらく行わないでしょうね。

税務調査で問題点を指摘されて修正申告を求められる際にも、そのあたりを認容減算するということは、税務署の調査官はほとんど考えないでしょうね。

したがって、税務的には、あんまり重要視されない部分です。

なお、法人税では、試験研究を行った場合の法人税の特別控除を設けており、税額控除により税負担の軽減措置は行っております。

ただ、企業経営者はどちらかというと、銀行の目が気になるんですよね。決算書における当期損益にできれば反映させたいところですが。

公認会計士さんとよく相談する必要がありますね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

従業員慰安旅行の経済的利益の取り扱いは???

企業が従業員の慰安旅行の費用を負担した場合の取り扱い、はどのようになるでしょうか。

以下の2つを満たす場合には、原則として企業の福利厚生費として取り扱い、従業員に対する経済的利益として所得税を課することは不要とされています。

(1)従業員の半数以上が参加すること(工場や支店など旅行を実施する職場ごとで判断します)

(2)旅行期間が4泊5日以内であること。(海外旅行の場合には、現地での滞在日数が4泊5日以内であること)

どうでしょう、バブル時代に緩めた基準、だからでしょうか、ずいぶんと寛容な内容ですよね。

バブル時代には、中小企業でも海外旅行の慰安旅行は結構ありました。

税務調査で数え切れないくらい問題とされた結果、個別通達で以上の要件が示されたということです。

当時は、20万円基準、という言葉が行き来しており、Q&Aで示された金額が会社負担金額が1人当たり20万円の事例であったため、それ以下ならばOKだ、とされていましたが、通達上は金額は書かれておりません。

なお、以上の2つを満たしても、自己都合による不参加者に対して現金を支給するような場合には、全員に対して経済的利益として課税が必要とされ(所得税基本通達36-50)、業務上の都合の不参加者だけに現金を支給する場合には、参加者は課税されませんが、業務上不参加で現金支給を受ける者は給与課税されることになっています。

なお、法人税では、所得税の取り扱い上、経済的利益として課税されないものについては、福利厚生費として損金算入、所得税の課税対象となるものについては、従業員については問題ありませんが、役員については、定時同額給与の概念から外れますので、原則損金不算入となります。

海外旅行を行った場合の消費税については、免税または国外取引になりますので、課税仕入れには該当しないこととなります。なお、出発の前、帰国後など国内における取引については、当然課税仕入れに該当するものとなります。

滞在日数要件である、現地における滞在日数が4泊5日についてですが、船旅によるクルージングで、船上4泊、現地2泊などの場合には、洋上のクルージング自体も旅行の目的であるということで、現地滞在日数に算入することとされており、飛行機の機内伯とは異なる取り扱いとされています。

以上、慰安旅行関連の解説でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«還付金の受取口座に注意!!!